[紀伊國屋じんぶん大賞2018 第3位]うしろめたさの人類学

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うしろめたさの人類学

『うしろめたさの人類学』

著者
松村圭一郎 [著]
出版社
ミシマ社
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784903908984
発売日
2017/09/16
価格
1,870円(税込)

書籍情報:openBD

うしろめたさの人類学

[レビュアー] 小林翔太(紀伊國屋書店・中部営業部)/林下沙代(紀伊國屋書店・札幌本店)

【小山大樹・札幌本店】
 この本をはじめて読んだ時、面白かったのはもちろんですが、何よりも著者の人間性に脱帽しました。エチオピアで感じた些細な「ずれ」や「はみだし」を、卵を温めるように大切に分析し、「つながり」を紡ぎ出す。本書に通底するそんな想いが、この本に他には無い内容と深みを与えているのだと思います。人類学を起動する、新たなマスターピース。

【林下沙代・札幌本店】
 もう、ヒーローやヒロインをただ待っているような時代ではない。一人ひとりが世界を自分にたぐりよせ、考え続けるしかないのではないか。からまった糸をときほどいてゆくように、がんじがらめになってしまった私たちの思考を、エチオピアという視点から、少しずつほどいてゆく。読み終えた時に感じたかすかな風のような希望は、あたらしい人文書の書き手の誕生とも、重なるような気がしました。

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紀伊國屋じんぶん大賞2018

紀伊國屋書店
2018年2月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

紀伊國屋書店

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