南沢奈央の読書日記
2018/08/24

晴れた朝に書きたい

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク


撮影:南沢奈央

 “晴れた朝に聴きたい洋楽”をAmazon Musicで聴いている。東京の朝、本日は雨。
 早起き、してみた。
 わたしはいつも、仕事に合わせて起きる時間を決める。朝から仕事だから早く起きなくては。午後からだから何時まで寝ていられるな。仕事がないからアラームをかけずに目が覚めるまでずっと寝ていよう……。
 基本的には完全に夜型で、深夜3時くらいまでは普通に起きている。録画しておいたドラマを観たり、本を読んだり、台詞を覚えたり。時に、部屋の片づけや掃除、今食べたいわけじゃないのに料理を始めてしまうこともある。わたしの深夜は、忙しい。この読書日記の原稿も、ほぼ夜に書いている。
 それを今回は、朝6時半に起きて書いている。昨日の夜だっていつも通り、仕事を終えて帰って、夜10時くらいから本を開いて、パソコンに向かってみた。だが今週は月曜から木曜まで、J-WAVEのお昼の3時間半の生放送番組のナビゲーターをやらせていただき、夜12時には寝て、朝7時半に起きるという規則正しい生活をしていた。4日間を終えて、疲れも溜まっていて、緊張の糸も切れたときに、頭が回るわけがない。というか、起きていられるわけがなく……。だがやらねば、という気持ちだけはあり、本とノートを抱え、作業机から床のビーズクッション、そして最終的にはベッドに移動。
 ハッと我に返ると、深夜1時半。枕の上にノートを広げ、本に指を挟んだまま、うつ伏せになっている自分。

 何のために読んでいるのだ、『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』!
 何のためにラジオで古川武士さんに話を伺ったのか!
 「睡眠負債が溜まった状態で仕事をするのは、酩酊状態で仕事をするのと同じ」と読んだばかりじゃないか。
 ここまで3時間以上、闘っている相手は睡魔だけだ……。「朝の1時間は夜の3時間に匹敵する」という言葉を信じて、寝ようと決めた。
 もうとことん、本に従ってみる。
 〈朝スッキリ起きるためのノウハウ〉。雨だから日の光は浴びられないけれど、コーヒーを飲み、カフェイン摂取。体温が上がり、頭が冴えていくのを感じる。机を少し片づけ、全力ラジオ体操。舞台公演中、毎日楽屋でやっていたのを思い出す。身体が起きてくる。そして音楽をかけ、気分も明るくなってくる。今まで朝にこんな余裕なんて、なかった。
 思い返せば、わたしの日常は〈睡眠を妨げる行為〉の連続だった。パソコンやスマホを睡眠前にいじる、読書や仕事をする、テレビを見る、寝る直前に熱い(40度以上の)風呂に入る、明るい光の下にいる、カフェインを飲む……
 昨夜は違った。睡魔に負けて、まともにパソコンに向かうこともできず、コーヒー飲んで無理やり仕事をしようとしなかったのが良かったのかもしれない。早めに諦めて、いつもの就寝時間深夜3時より1時間半早く寝たのも、大きかったのだろう。古川さん曰く、早起きのコツは「まずは起きる時間ではなく、寝る時間を変える」! おかげで深い眠りができた。

 さて、まだ朝8時半だ。朝ごはんを食べよう。出掛けよう。何をして過ごそうか。喫茶店に行って、読書でもしようか。夜には友達とお蕎麦を食べに行く。
 ここから始まる一日に、胸をときめかせる。明日の朝陽のために、お蕎麦屋さんでの日本酒はほどほどに、と胸に誓う。

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク